著者
鳥居 高
出版者
明治大学大学院教養デザイン研究科
雑誌
いすみあ : 明治大学大学院教養デザイン研究科紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.35-38, 2017-03

本作品は、一九四五年二月にフィリピンのマニラを戦場とし、日米両軍間で展開されたマニラ市街戦の「その後」をテーマにしたドキュメンタリー作品である。講演者の金本麻理子氏は、本作品の前にその正編とも言うべき『マニラ市街戦』という長編のドキュメンタリー作品をディレクターとして、制作にも携わった。この作品はそれを踏まえた、続編と言う位置づけになっている。本来であれば、正編にあたる『マニラ市街戦』を踏まえての視聴が好ましいのだが、時間の制約上、今回は続編にあたる本作品のみを上映した。そこで、作品の前提となる「マニラ市街戦」について、まず簡単に触れておこう。マニラ市街戦とは、アジア・太平洋戦争の終盤にあたる一九四五年二月、日本の軍政下にあったフィリピンを奪還するために上陸したアメリカ軍と日本軍の間で行われた市街戦である。